2012 Fiscal Year Annual Research Report
認識機構に着目した感染とがんに対する生体防御システムの分子機構の解明
Project/Area Number |
20679003
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高岡 晃教 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30323611)
|
Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
|
Keywords | パターン認識受容体 / DNA / 感染 / がん / 生体防御 |
Research Abstract |
これまでに、ウイルス由来の核酸認識に関わる代表的なパターン認識受容体であるRIG-Iの活性化の制御因子としてZAPS分子を独自に同定した。本年度、このZAPSがインフルエンザウイルス由来のnonstructual protein 1 (NS1)による免疫回避機構に深く関与していることを見出した。NS1をヒトの細胞に過剰発現させた場合、RIG-Iリガンドである5'-三リン酸RNA刺激によるI型インターフェロン(IFNs)や炎症性サイトカインの発現誘導が抑制されるが、ZAPSはこのNS1によるIFNsやサイトカイン発現の抑制を強力に阻害した。免疫沈降法による解析結果からRIG-IとNS1の会合をZAPSが阻害することも明らかとなった。さらに、ZAPSのトランスジェニックマウスを作製し、インフルエンザウイルス感染を行ったところ、IFNsの発現増強およびウイルス量の減少がみとめられた。これらの結果から、RIG-I とZAPSの会合の競合阻害がNS1による自然免疫回避の分子機構の1つであると考えられた。一方、ZAPSと同じPARPスーパーファミリーのTIPARPに着目しRIG-Iを介する自然免疫応答への関与について検討した。TIPARP発現をノックダウンさせると核酸刺激によるRIG-I 下流のIFNsの発現が顕著に増強された。ダイオキシン類でTIPARPの発現を誘導させると、逆にRIG-Iシグナルが強く抑制された。よって、TIPARPはRIG-Iシグナルの負の制御因子であることを見出した。さらに、細胞質においてウイルス由来のDNAを認識するセンサー分子の一つとしてIFI16が報告されているが、サイトメガロウイルスはIFI16を介して自然免疫応答を活性化することを見つけ、現在、この認識におけるpp65ウイルスタンパク質との関連も新たに見出し、詳細な解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Targeted Induction of Interferon-λ in Humanized Chimeric Mouse Liver Abrogates Hepatotropic Virus Infection.2013
Author(s)
Nakagawa S, Hirata Y, Kameyama T, Tokunaga Y, Nishito Y, Hirabayashi K, Yano J, Ochiya T, Tateno C, Tanaka Y, Mizokami M, Tsukiyama-Kohara K, Inoue K, Yoshiba M, Takaoka A, Kohara M.
-
Journal Title
PLoS One.
Volume: 8
Pages: e59611
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Tumor-infiltrating DCs suppress nucleic acid-mediated innate immune responses through interactions between the receptor TIM-3 and the alarmin HMGB1.2012
Author(s)
Chiba S, Baghdadi M, Akiba H, Yoshiyama H, Kinoshita I, Dosaka-Akita H, Fujioka Y, Ohba Y, Gorman JV, Colgan JD, Hirashima M, Uede T, Takaoka A, Yagita H, Jinushi M.
-
Journal Title
Nat Immunol.
Volume: 13
Pages: 832-842
Peer Reviewed
-
-
-