2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィードバックを用いたクロスモーダルコンテンツ
Project/Area Number |
20680004
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
盛川 浩志 Waseda University, 理工学術院, 助教 (90386673)
|
Keywords | ヒューマンインターフェイス / コンテンツ / 脳認知科学 / 認知心理学 / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
本研究課題では、感覚間の統合に関わるヒトの脳機能や認知機能の特性を利用した映像情報メディア表現をクロスモーダルと呼称し、そのコンテンツ制作における具体的な知見やパラメータについて実証的に検討していく。特に、脳機能のリアルタイム計測と、そのフィードバックによるコンテンツの動的な生成に着目・活用していくことで、効果的かつ効率的な方法論の確立を目指す。 本年度の研究においては、脳機能計測系から出力される計測データを、リアルタイムでコンテンツ制御系に入力するシステムの構築を行った。システムの構築にあたっては、NIRS(Near Infra-Red Spectrosopy : 近赤外分光法)による脳機能計測装置(ETG-4000, 日立メディコ)と、PC上で動作する仮想空間コンテンツ構築環境(OmegaSpace, ソリッドレイ研究所)を用いた。NIRSによる脳機能計測では、血中ヘモグロビン(Hb)濃度の変化を捉えることで、刺激に対して活動する脳部位の観察が可能であるが、Hb濃度の絶対値を測定することが原理的に困難であることや、濃度変化に潜時があることなどから、計測データ処理についての検討が必要であった。そこで、入力データの処理方法として、入力されるHb濃度値をそのまま反映するだけでなく、積分値や微分値を利用して脳活動の判定方法の検討を行うことを可能とした。 仮想空間内でのコンテンツ表現を変化させるトリガして、どのような処理方法が適切であるかについて、次年度引き続き検討を行っていく。本研究における予備調査において、NIRSにおける空間分解能の低さや、同一刺激に対する反応の個人差が大きいことなどが、脳機能計測データのフィードバックによってコンテンツを生成する際に課題となると考えられた。これらの課題についても次年度以降引き続き検討を行っていく。
|