2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィードバックを用いたクロスモーダルコンテンツ
Project/Area Number |
20680004
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
盛川 浩志 Waseda University, 理工学術院, 助教 (90386673)
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Keywords | ヒューマンインターフェイス / コンテンツ / 脳認知科学 / 認知心理学 / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
本研究課題では、インタラクティブなバーチャルリアティ(VR, Virtual Reality)コンテンツの生成・出力系と、脳機能計測による評価・フィードバック系を組み合わせた環境を構築し、ヒトの認知にあわせた動的なコンテンツ生成を目指すとともに、その効果的な活用方法の確立に向けた知見の収集を行った。初年度においては、NIRS (Near Infra-red Spectroscopy)装置から、リアルタイムで血中ヘモグロビン(Hb)濃度変化データを出力し、VRコンテンツ制御系にフィードバックすることを可能とするシステムの構築を行った。 本システムでのコンテンツ生成においては、脳機能計測データに含まれる生体ノイズや刺激に対する個人差などの影響について、解析手法の確立が必要となることが示唆された。そこで本年度は、脳機能計測の計測が容易な前頭前野部を対象として、コンテンツ観察時の活動を測定し、その反応の解析を行った。具体的には、立体映像に含まれるクロストーク妨害刺激を検出した際のHb濃度変化を計測した。 解析の結果、刺激呈示に対する反応として、5秒から15秒後にピークが観察された。脳機能計測における反応時間の遅延は、リアルタイムコンテンツにおいて、問題となることが懸念されていたが、実験によってその遅延時間が明らかとなった。計測部位については、前頭前野を対象としたことによって、計測装置の装着にかかる時間や被験者に対する負担、毛髪によるノイズの発生は避けられた。一方で、脳部位による機能局在の面から検討した結果、フィードバックによる効果的なコンテンツ表現に工夫が必要であると考えられた。 本研究によって、脳機能計測データのフィードバックによるコンテンツ生成について、影響を与える要因についての知見が得られ、各要因の影響を考慮したコンテンツ生成と計測手法の開発が期待された。
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