2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20680020
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
鮫島 和行 Tamagawa University, 脳科学研究所, 准教授 (30395131)
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Keywords | 意思決定 / 報酬 / 大脳基底核 / fMRI / 強化学習 / 注意 |
Research Abstract |
我々人間を含む動物は、多くの刺激情報から、自らの行動選択に有効な状態変化を検出し、適切な状態認識の下で意思決定を行うことができる。これらの注意と階層的意思決定の神経機構を明らかにするために、色と形の2つの属性からなる2種類の図形から1つを選択させる意思決定課題をサルに行わせ、その行動選択の学習の過程を解析・検討した。画面に表示される2種類の図形は、4種類の色、4種類の形からなる16種類の図形からランダムに選択されて提示される。サルは色または形に応じた量のジュース報酬に基づいてより大きな報酬を得る図形を選択する。サルは自らの選択と報酬フィードバックによって、図形と報酬の関係を学習しなければならない。このとき、サルの学習戦略は、色と形の組み合わせからなる個々の図形毎に学習を行うこともできるし、ブロックに応じて色または形毎に報酬との関係を学習する事もできる。二つの戦略の可能性を行動学的に検証するために、サルの学習による行動選択を検討した。サルがより大きな報酬を得られた最適行動選択の割合をブロック毎に図形提示回数または色提示、形提示回数を説明変数として見た。その結果、より大きな報酬を得る成績は、図形の提示回数ではなく色または形の提示回数によって上昇することがわかった。この結果は、サルの選択が色または形に注意を切り替えながら適応的に学習することによって効率的な学習を行っていることを示唆している。
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