Research Abstract |
今年度は, 地域在住中高年者の中学生以降現在までの運動経験の実施状況について, 基礎的な集計を行い運動経験の変遷を示した. 対象は, 国立長寿医療センター疫学研究部が行う「老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第四次調査に参加した60歳以上の男性523名(平均年齢70.0±6.6歳), 女性461名(同69.8±6.7歳)であった. 運動習慣は, 質問紙を用いた面接調査により, 10歳代〜現在までの週1回以上, 1回20分以上, 1年以上の定期的な運動・スポーツ活動の有無, 種類, 頻度, 継続期間を検討した. 主な結果は以下に示す. 1) 各年代(10歳代, 20歳代, 30歳代, 40・50歳代, 60歳以降)の運動習慣者の割合 若齢の年代から順に, 男性59.5, 33.1, 29.6, 44.6, 65.4%, 女性43.0, 6.3, 13.5, 44.0, 57.1%であった。10歳代から現在まで全く運動経験のない人は, 男性11.1%, 女性20.8%であった. 全ての年代において, 男性は女性よりも運動習慣を持つ人の割合が高かった. 2) 過去の運動習慣と現在の運動習慣との関連 10歳代から40・50歳代までに運動習慣を持つ人は, 60歳以降に運動習慣持つ人の割合が高かった. 3) 運動習慣の変遷 男性では, 10歳代から現在まで運動を継続している人と60歳代以降に運動を開始した人の割合が高かった. 女性では, 40歳代以降に運動を開始する人の割合が高かった. 4) 運動種目の変遷 最も実施の多い運動は, 10歳代の男性は野球, 女性はバレーボール, 60歳以降では男女ともに散歩であった. 性, 年代により実施される運動種目は異なった. 本研究により, 中高年者における過去の運動経験の状況が明らかとなった.
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