2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20680038
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
日高 真吾 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 准教授 (40270772)
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Keywords | 鉄燈籠 / 民俗文化財 / 能登半島地震 / 被災文化財 / 保存 / 穴水町 / 中居鋳物 / 明泉寺燈籠 |
Research Abstract |
本年度は、実際に保存修復を終えた研究対象である「明泉寺台燈籠」の最終設置に向け、免振台の選定をおこなうとともに、返却先である能登中居鋳物館の大気環境の調査と調査結果の分析を中心におこなった。また、返却に先立ち、研究環境を提供した国立民族学博物館での企画展示や返却にむけた地元での各種イベントも積極的におこない、研究成果の社会還元に努めた。 免振台の選定では、床面に直接設置できるフロアー型の免振装置の性能について検証した。これは明泉寺台燈籠自体が大賀あの文化財であり、さらには400キロを超える重量物であること、能登中居鋳物館のフロアーを免振構造に改築する予算が取れないという現状からの選定である。検証では、これまでの使用実績や性能試験の結果から選定した。また、最終設置場所の能登中居鋳物館の大気環境測定の結果から、現地は海辺に立地しているにもかかわらず、塩害の心配のない程度の大気環境であることが明らかになった。そこで、当面は錆止めの材料として用いたオリーブ油の再塗布はおこなわず、中居鋳物保存会のメンバーとともに、連絡を取り合いながら、経過観察をおこなうこととした。 なお、「明泉寺台燈籠」の修復完成を記念して、研究代表者が中心となって、これまでの研究成果を紹介する企画展「歴史と文化を救う-阪神淡路大震災からはじまった被災文化財の支援」を開催するとともに、返却先の能登中居鋳物館で、公開シンポジウム「中居鋳物の文化を考える-明泉寺台燈籠からはじまる物語」を開催した。さらに、地元の子供たちに中居鋳物の文化を継承するために、研究代表者らが中心となって、文化庁の支援事業「伝統文化子供教室」の助成を受け、年間10回のワークショップを開催した。これらの活動は、本科研を契機として立案されたものであり、研究成果の社会還元という点では確かな成果を残すことのできる機会になった。
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Research Products
(4 results)