2011 Fiscal Year Annual Research Report
『新編会津風土記』を中核とした歴史GISの構築とその活用
Project/Area Number |
20680039
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀 健彦 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80313493)
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Keywords | 地誌 / 地理情報システム(GIS) / 歴史GIS / 会津 / 近世地誌 / 歴史地理学 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画の最終年度として、これまでの作業を形としてまとめあげるべく、過去3年間の試行を踏まえて『新編会津風土記』を中核とした歴史GISのシステムを完成させた上で、学術利用に耐えうる限定的な公開の枠組みの構築と、将来的な一般公開に向けたプラットフォームを作成することについて、目途をつけるべく作業をすすめた。まず、『新編会津風土記』を基礎データとした歴史GISの中核を占める『新編会津風土記』記載内容のデータベース化の最終仕上げを行うた。具体的には、データベースの入力漏れチェックを行った上で、村をArcGIS上でポイントデータととして扱うこととしたことをうけ、旧版地形図上での村の位置を確定させる作業を行った。加えて、明治大正期の地形図に表示されている道路や河川などについてもデジタルデータ化を行い、村のポイントデータの背景地図としても活用できるようにした。また、国勢調査および地形分類図をそれぞれデータベースに組み込み、『新編会津風土記』の歴史GISデータとオーバーレイを行うことが可能になるように設定を行った。この上で、歴史GISを用いた対象地域の歴史地理学的な分析を進めたが、いくつかの興味深い事実を明らかにすることができたものの、歴史GISが内包するデータを十全に読み解き得た段階までは至っておらず、さらなる分析を継続的に行うことが必要であることが判明した。今回作成したデータの学術的な共同利用の枠組みと方法については、今年度で目途がついており、今後の分析はデータをオープンな形で提示し、協同的な作業・議論の中でさらに進めていくことが望ましいと考える。また、一般への成果の還元については、上述の分析を踏まえてなされる必要があるが、当該地域においては既に本歴史GISへの関心が寄せられており、できる限り早い段階で伝わりやすい形で成果を公開するようつとめたい。
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Research Products
(1 results)