2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアゲノム・蛋白質付加体によるアルデヒド類の毒性発現機序の解明
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20681006
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
一瀬 豊日 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80341494)
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Keywords | アルデヒド / ミトコンドリア / ゲノム付加体 / 蛋白付加体 / 毒性 |
Research Abstract |
健康影響が懸念されるにもかかわらず、アセトアルデヒドの発がんおよび非発がんの毒性発現機序は明らかでない。本課題はアセトアルデヒドのミトコンドリアを介した毒性発現機序を分子機序レベルで解明し、リスク評価の際に有用な毒性発現機序を明らかにすることを目的としている。 本年度は(1)Aldh2ノックアウトマウスをアルデヒド全身曝露し、核酸を抽出。形成されたα-Me-γ-OH-PdG核酸付加体は、野生型に比べノックアウトマウスで有意に高いことを認め学術誌に発表。(2)Aldh2ノックアウトマウスをアルコール経口投与し、核酸を抽出。形成されたα-Me-γ-OH-PdG核酸付加体は、野生型に比べノックアウトマウスで有意に高いことを認め学術誌に発表した。これら2点の知見は、IARCによる飲酒に伴うアセトアルデヒドが発がん性評価グループ1(ヒトに対する発がん性を示す)の評価を、動物実験および発がん機序の面から補強する知見と考えられる。また、従来はAldh2遺伝子多型による発がんリスクの差異は、アルコール摂取量および体内アルデヒド曝露量の差より推算・評価されてきている。本知見は発がんに至る前段階の、影響量評価として位置づけられるので、今後の詳細リスク評価および発がん防止につながる研究に利用可能と考えられる。(3)細胞核ゲノム対ミトコンドリアゲノムのα-Me-γ-OH-PdG核酸付加体の比較、(4)細胞核およびミトコンドリアゲノムの代表的遺伝子の定量PCRから、アルデヒド曝露によりミトコンドリアゲノムが損傷を受け細胞核に対するミトコンドリアゲノム数減少を検証中である。また、モデル蛋白質で得た反応条件の知見を利用し、チトクロム類での付加体結合部位を検証中である。
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Research Products
(3 results)