2009 Fiscal Year Annual Research Report
界面現象を利用した高プロトン伝導体の合成と新規燃料電池システムの創成
Project/Area Number |
20681007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大友 順一郎 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90322065)
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Keywords | 燃料電池 / プロトン伝導体 / 界面イオン伝導 / 電極反応 / 省エネルギー |
Research Abstract |
新規無機プロトン伝導性複合電解質材料の開発の一環として、今年度(平成21年度)は、昨年度検討した無機ガラス-微粒子複合体(ZnO-P_2O_5-TiP_2O_7:以下ZPTと略記する)に加え、SrO-P_2O_5系(以下SPと略記する)の複合ガラス電解質の合成とイオン伝導特性について検討を行った。ZPTについては、加湿雰囲気において生成したリン酸亜鉛ガラスゲルとTiP_2O_7微粒子の界面におけるプロトン導電率の上昇効果の観測結果を充実させ、ジャーナルへの投稿を行った(現投稿中)。SPについては、種々の組成(La_2O_3、SnO等の組成も含む)を検討した結果、200℃近傍において10^<-2>S/cm程度の非常に高い導電率を示すことがわかった。一方、SP系電解質では潮解性が観測された。P-O結合の化学的安定性の向上が必要であり、耐水性を向上させる組成の調整あるいは結晶性微粒子の複合化による材料合成が次年度の検討課題となる。 さらに上述の電解質材料の合成と並行して250℃付近の中温域で作動する中温作動燃料電池を作製し、アルコール燃料における燃料極反応の観測を通じて中温作動燃料電池の特徴について検討を行った。昨年度から今年度にかけて構築した電気化学測定と同時に反応生成物分析が可能な装置を用いて、エタノールに加えエチレングリコールの白金触媒上での反応性を詳細に検討したところ、中温域ではそれらアルコール類のC-C結合解裂が進行し、完全酸化反応が比較的効率よく進行することが示された。この反応経路の進行は、従来の低温作動型の燃料電池(PEFC)では一般に困難であり、中温作動燃料電池の特徴を示す現象であったといえる。この成果は、化学工学会、電気化学会および電池討論会の場で公表した。
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Research Products
(4 results)