2010 Fiscal Year Annual Research Report
界面現象を利用した高プロトン伝導体の合成と新規燃料電池システムの創成
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20681007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大友 順一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90322065)
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Keywords | 燃料電池 / プロトン伝導体 / 界面イオン伝導 / 電極反応 / 省エネルギー |
Research Abstract |
今年度(平成22年度)は、界面現象を利用した無機プロトン伝導性複合電解質材料の開発の一環として、新たにTiO_2-P_2O_5系(以下TiPと略記する)の複合ガラス電解質の合成とイオン伝導特性について検討を行った。ゾルゲル法により、原料組成および温度制御等の実験条件を精密に制御することでTiPガラスを合成し、かつ適切な熱処理温度を施すことにより、ガラス系内に単相のTiP_2O_7微粒子が生成する条件の抽出に成功した。また、昨年度から検討を続けきたZnO-P_2O_5-TiP_2O_7系複合ガラス電解質については、専門誌への掲載が決定している。 昨年度から継続して、CsH_2PO_4と白金/カーボン電極触媒(Pt/C)をそれぞれ電解質と電極触媒に用いた単電池を作製し、250℃近傍でエタノールの電極酸化反応の詳細な速度論的解析を行った。エタノールのCO_2電流効率(観測された全酸化電流のうちエタノールの直接電極反応による完全酸化(CO_2生成)によって得られた酸化電流の寄与の割合)は最大で80%に達した。さらに、C-C結合解裂の割合も90%を超えていることが明らかになった。このように250℃近傍の中温域への作動温度の上昇によってアルコール類の電極反応の活性化に大きな効果を及ぼすため、中温域における発電特性の大幅な向上が実証された。エタノールの成果は専門誌で出版済みである。この成果は、エチレングリコール等の多価アルコールに応用展開が可能であり、現在詳細な速度論的解析を継続中である。
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Research Products
(4 results)