2008 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気ベンゼン分解促進因子の生理生態学的アプローチによる解明と汚染浄化手法への展開
Project/Area Number |
20681008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 太 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30312979)
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Keywords | 土壌汚染浄化 / ベンゼン / MAR-FISH法 |
Research Abstract |
本年度はまず、ベンゼン分解に関与する微生物であるSyntrophobacterales目類縁細菌の16SrDNA塩基配列に特異的なPCRプライマーおよびDNAプローブを設計し、定量的PCR法と、Fluorescent in situ Hybridization(FISH)法による定量手法を確立した。定量的PCR法には、QPrimer PCR法を用い、検量線用の標準には、以前分離したクローンを用いた。FISH法の陽性標準には、当該配列を持つ菌株が必要となるものの、分離菌株は存在しないため、clone-FISH法を用いてプローブの特異性を検証した。clone-FISH法に用いた組換え菌株は、当該16SrRNA遺伝子塩基配列をプラスミドに組み込み、大腸菌に形質転換し、さらにそのプラスミドオペロンを発現させることで、大腸菌内に当該RNA塩基配列を過剰発現させることで作成した。この菌株を用いてFISHプローブの特異性を検証し、ハイブリッド形成のための条件検討を行った。 次に、得られたプローブを用いてSyntrophobacterales目類縁細菌のin situでの基質利用特性を明らかにするため、放射性同位体標識された基質によるMicroautoradiography-Fluorescent in situ Hybridization(MAR-FISH)法を行うための準備を行った。まず、土壌粒子の残る試料に対してFISH法を行うために、粒子除去のための検討を行い、土壌試料にFISH法、さらには、MAR-FISH法を適用するための技術開発を行った。次に、疎水性物質であるベンゼンを基質として用いたMAR-FISH法の検討を行った。菌体洗浄方法の最適化を行い、MAR-FISH法の基質としてベンゼンを用いることに成功した。
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Research Products
(1 results)