2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20681010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
津田 明彦 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (20359657)
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Keywords | 円偏光発光 / 渦 / 撹拌 / ナノファイバー / 超分子 |
Research Abstract |
本年度は、撹拌によって生じる渦の中で予想されるナノファイバーのねじれを利用して、実際に不斉反応の制御を行った。〓合(東京理科大)らのグループによって開発された不斉増殖反応を利用して、超分子ナノファイバーの存在下、生成物のキラリティーの渦(撹拌)による制御に挑戦した。ここでは、撹拌によってナノファイバーのユニットが不斉配向を生じていれば、生成物に不斉の偏りが生じる可能性が高いと考えた。本研究を実施するに当たって、新たなナノファイバーの構築を行い、撹拌による誘起CDスペクトルの確認に成功したが、それを用いた不斉自己増殖反応はまだ成功に至っていない。詳細を以下に示す。 1) π共役部位(疎水性)と親水性部位からなる両親媒性分子1を合成した。構造は^1Hおよび^<13>C NMR、IR、紫外可視吸収スペクトル、元素分析、TALDI-TOF MSなどによって同定した。1はトルエン中で水素結合およびπスタックによって、自己集合化しナノファイバーを形成することを、動的光散乱(DLS)、走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)によって確認した。 (2) 非常に興味深いことに、化合物1のナノファイバー溶液を左右に回転撹拌するとミラーイメージとなるCDスペクトルが得られた。CDスペクトルは撹拌のON/OFFおよび方向の転換によって即座に変化した。 (3) ナノファイバーの存在下において、不斉自己触媒反応を行ったが、撹拌方向と生成物のキラリティーに再現性のある立体的相関は得られなかった。
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Research Products
(9 results)