2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20681012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白木 将 東京大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 講師 (80342799)
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Keywords | 表面 / ナノプローブ / ナノ構造物性 / 磁性 / X線吸収分光 |
Research Abstract |
固体表面に金属原子や分子を極微量蒸着し、その蒸着量を制御することによって、金属原子のナノドットや分子薄膜のサイズや形状を精度良くコントロールできる。本年度の研究成果は以下の通りである。(1)Ag(111)表面上にCoの2次元ナノアイランドを構築し、その磁気構造をX線吸収分光(XAS)ならびに磁気円二色性(XMCD)を用いて調べた。Coナノドットでは、低温(6K)、強磁場(1.9T)のもとで、明確なMCDシグナルが観測された。これはCoナノドットが、低温では磁場印加方向に磁化されていることを示す。またMCD強度ならびに磁化曲線の角度依存性から表面面内方向が容易軸となる磁気異方性が確認された。また、温度依存性を調べたところ、およそ200Kで磁化を失い、常磁性へ転移することも分かった。(2)Ag(110)表面に鉄フタロシアニン分子の超薄膜を作製し、その磁気特性を同じくXASとXMCDにより調べた。その結果、Ag表面に直接吸着したフタロシアニン分子はスピンを失いS=0となった。一方、2層目のフタロシアニン分子層はスピンを失わず、大きな軌道磁気モーメントを示した。また磁化容易軸はバルクと同様に分子面内であったが、面内での異方性が大きく一軸異方性を示すことが分かった。
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Research Products
(3 results)