2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子/無機材料異種界面の動的制御を実現する第二世代のペプチドアプタマーの創製
Project/Area Number |
20681013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐野 健一 独立行政法人理化学研究所, 分子情報生命科学特別研究ユニット, 副ユニットリーダー (80321769)
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Keywords | ナノバイオ / 分子認識 / ナノ・マイクロデバイス / バイオテクノロジー / 蛋白質 / アプタマー / ソフト界面 / 動的分子素子 |
Research Abstract |
本研究は、ペプチド-無機材料界面を動的に制御できるような生体分子素子の創製を目指し、(I)ファージディスプレイ法を用いたコンビナトリアルエンジニアリングによる動的制御可能な第二世代のペプチドアプタマーの探索と、(II)従来のペプチドアプタマー・無機材料間の詳細な界面構造解析から、その構造情報を元に人工ペプチド・人工タンパク質のデザイン合成を進め、生体高分子・無機材料異種界面の動的制御の実現を目指すものである。 本年度は、(i)亜鉛イオンに応答して構造変換を惹起するZn-finger骨格を持つファージライブラリー、ひとつは構造骨格以外をランダム配列にしたもの、もうひとつはZif268骨格を保存し、それ以外の配列をランダム配列にした二種類のライブラリー作製をおこなった。界面における生体分子の運動検出に向けたタイムラプスイメージングシステムの改良をさらに進め、標準試料とした超高分子階層性ハイドロゲルの運動解析に成功した。さらに、(ii)従来型のペプチドアプタマーであるチタン結合ペプチドアプタマー,TBP-1とチタンの界面構造モデルから、ATP加水分解に伴ってダイナミックに構造変化し、微小管の上をプロセッシブな運動することが知られているモータータンパク質、キネシンの微小管結合ドメインにTBP-1配列を導入したキメラタンパク質の創製に成功した。このキメラキネシンは、チタンへの親和性を獲得していた。一方、チタン表面での運動は観察できなかった。これはタンパク質と基板表面との間で一般的に見られるsurface induced conformational changeの影響によるものであると考えられる。
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