2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20681014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山本 浩史 The Institute of Physical and Chemical Research, 加藤分子物性研究室, 専任研究員 (30306534)
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Keywords | 超分子 / ナノワイヤー / ハロゲン結合 / 分子性導体 / 3次元配線技術 / 絶縁被覆 / 冗長性 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、分子骨格を拡張した含ヨウ素中性分子の合成を行った。前年度使用した1,4-diethynylbicyclo [2.2.2] octaneは、分子の溶解度を上げるのには適しているが、ち密な結晶構造を作るのには適していないことが結晶構造解析の結果判明したので、今年度はフッ素原子を積極的に導入することによって分子の可溶化を図った。その結果、2, 2', 4, 4'-Tetrkis(4-iodoethynyl-phenylethnyl)-1, 1', 3, 3', 5, 5'-hexafluorobiphenylの大量合成に成功し、そのX線構造解析を行うことが出来た。結晶中で当該分子はチューブ構造を形成しており、絶縁被覆材料として適した素材であることが確認できた。この分子を共存させた条件で、各種TTF誘導体のカチオンラジカル塩を合成し、現在その構造解析に取り組んでいるところである。また、他の絶縁分子として、計画書に記した3回対称分子1, 3, 5-Tris[4-(1, 3, 5-trifluoro-2, 4-diiodophenylethynyl)-phenylethynyl)-2, 4, 6-trifluorobenzeneの合成にも成功した。これからこの分子の大量合成に向けて、条件検討を行っているところである。 一方、こうした巨大分子を合成する傍ら、超分子作成の要素技術としてConcave型ハロゲン結合分子の合成にも取り組んでいる。今年度は実際にそうした分子がハロゲン化物イオンと強い相互作用を形成することを結晶構造解析から明らかにすることが出来たので、今後これを拡張した超分子の構築にも道を拓いていく予定である。
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