2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20681014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山本 浩史 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 専任研究員 (30306534)
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Keywords | 超分子 / ナノワイヤー / ハロゲン結合 / 分子性導体 / 3次元配線技術 / 絶緑被覆 / 冗長性 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、2,2',4,4'-Tetrkis(4-iodoethynyl-phenylethnyl)-1,1',3,3',5,5'-hexafluorobiphenylの大量合成と、これを絶縁材料に用いた伝導性カチオンラジカル塩の作製を行った。最初に当該分子が超分子集積構造を持った結晶を作ることを確認するために、ハロゲン化物四級アンモニウム塩との共結晶化を試み、いくつかの塩の結晶構造解析に成功した。結晶中では実際に三次元のネットワーク構造の構築が確認出来たが、二つの副格子が相互貫入した構造となっていた。これは当該分子単体での結晶化においては見られなかった構造であり、三次元ネットワークを作ることにより出現した構造様式である。次に各種TTF誘導体のカチオンラジカルとの共結晶化を試み、BPDT-TTFとの塩を得ることが出来た。しかしながらこの場合も超分子ネットワークの相互貫入が見られ、ワイヤー構造の構築には到らなかった。 一方、三回対称分子1,3,5-Tris[4-(1,3,5-trifluoro-2,4-diiodophenylethynyl)-phenylethynyl]-2,4,6-trifluorobenzeneの大量合成にも成功したので、その結晶化にも取り組んだ。しかしこの分子は単体においても共結晶化条件においても良好な結晶を生成せず、X線構造解析には到らなかった。その他、超分子作成の要素技術としてConcave型ハロゲン結合分子の結晶構造解析と分子軌道計算にとり組んだ。また、結晶性超分子ナノワイヤーの基本特許を米国において取得している。
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