Research Abstract |
(1) ハーフメタル合金薄膜の材料探索および作製技術開発 Co_2Fe_xMn_<1-x>Si, Co_2MnAl_xSi_<1-x>, Mn_2VAI組成のホイスラー合金薄膜を電極としたトンネル接合を作製し, その磁気抵抗効果を評価した. その結果, Co_2Fe_<0.4>Mn_<0.6>Si合金電極のトンネル接合で最も高い磁気抵抗比を得た. また, コンダクタンス特性を評価した結果, Co_2MnAl_xSi_<1-x>組成では, xの増加とともに, ハーフメタルギャップが狭まることが分かった. Co_2Fe_xMn_<1-x>Si組成では, xが0〜0.6の範囲で明瞭なハーフメタルギャップ構造が観測できた. Mn_2VAI組成では, 良質な薄膜は作製できたが, 磁気抵抗効果は観測できなかった. 以上から, 最適ハーフメタル合金組成はCo_2Fe_<0.4>Mn_<0.6>Siであると判断した. (2) ハーフメタルトンネル接合素子の低抵抗化とスピン注入磁化反転の観測 トンネル接合素子のMgOトンネル絶縁層膜厚を0.7〜1.0nm程度まで薄膜化し, ホイスラー合金電極トンネル接合の低抵抗化とスピン注入磁化反転の観測を行なった. その結果, 当初の目標を上回る100Ωμm^2で150%のTMR比を観測することに成功した. また, MgO膜厚が0. 7nmの試料において, 5.9×106^A/cm^2の電流密度でのスピン注入磁化反転に成功した. (3) ハーフメタルスイッチの開発と不揮発論理回路への応用 Co_2MnSiホイスラー合金電極を用いたトンネル接合を直列に接続した素子において, 6Kではあるが, 印加電圧によって電流が大きく変化するスイッチ特性を観測した. さらに, Co_2MnSiの磁化状態に応じてスイッチ特性が変化することが分かった.
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