2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハプロイドDNAを用いた日本人ゲノム多様性情報基盤の高度化
Project/Area Number |
20681020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 洋児 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 助教 (60372744)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / ゲノム多様性 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
本研究では日本人集団多様性情報の医学への応用を目指した情報基盤整備を行うために、日本人の単一精子由来完全胞状奇胎ゲノム検体の解析により日本人ゲノムの高精度SNP(一塩基多型)/CNV(染色体領域コピー数多型)ハプロタイプ地図を作成し、それをデータベース化することを目的としている。第一年度は完全胞状奇胎100検体について、90万のSNPプローブ及び90万のコピー数解析用プローブを搭載したAffymetrix社SNP6.0アレイを用いて高密度オリゴヌクレオチドアレイハイブリダイゼーション法により実験データを収集した。SNPジェノタイピングは全ての検体でホモ接合性判定率が95%以上(平均99%以上)であり、また以前行った500Kアレイの解析結果とのジェノタイピング一致率も99.9%以上という極めて高精度な結果であった。さらに、後で述べるCNV解析結果を取り入れた新しいジェノタイプ判定修正法を考案・適用することにより、より不確実性を排除したジェノタイプデータを得た。CNV解析については、既存の解析ソフトウェアのパラメーターを完全胞状奇胎ゲノム解析用に最適化し、ハプロイドゲノム当たり70か所以上の領域にCNVを検出した。それらの約90%は他検体と重複して検出されるものであり、残りは他の検体では見られない極稀な変異であった。これらの結果を米国MITのグループより最近出されたHap Map検体での詳細な解析結果と比較すると、重複するCNV領域のサイズは良く一致しており、今回の解析方法の正当性が示された。本年度の研究成果の一部は米国人類遺伝学会年会において発表した。現在、ハプロタイプ地図のマーカー密度をさらに高めるために、別フォーマットの高密度DNAアレイを用いた解析を行っている。
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