2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20683004
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長内 厚 Kobe University, 経済経営研究所, 准教授 (70452505)
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Keywords | 技術経営 / 経営戦略 / イノベーション / 製品構想 / 統合 / 顧客価値 |
Research Abstract |
本研究では、製品開発を規定する製品構想は、技術的な要因だけでなく、顧客の定性的・情緒的な価値を満たすための非技術的な要因が存在するのではないかという命題の元に、研究開発組織とそのプロセスの分析を行っている。製品構想が正しく顧客に伝わるためには、構想段階のコンセプトが、首尾一貫して研究開発プロセスにおいて貫かれ、最終的に製品に正しく反映されることが求められる。昨年度はコンセプトの首尾一貫性を確保するプロセスとして技術と事業の効果的なすりあわせに関する研究を進めたが、本年度は、特にコンセプトそのものをどのようにマネージするのか、競争優位の源泉としてのコンセプト開発と、その指標となる顧客価値の分類・性質に着目をして調査・研究を行った。そのため、本年度は主に、技術がもたらす価値とその限界についての議論を整理した後に、技術を価値創造の重要な要素としながらも、素朴に技術開発をして機能・性能のみを製品の価値とするのではなく、技術を直接的、間接的に利用して、より情緒的で定性的な価値創造を行うことの重要性を示した。 これらの研究業績のうち、本年度中に発表もしくは発表したものとして、組織学会機関誌『組織科学』掲載論文2本を含め、7本の学術論文・ケース論文、3回の学会報告を行い、その成果の公開を行った。
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Research Products
(5 results)