2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国における物流産業の高度化と企業のロジスティクスシステム構築
Project/Area Number |
20683005
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
李 瑞雪 University of Toyama, 経済学部, 准教授 (20377237)
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Keywords | 中国物流産業 / ロジスティクス戦略 / サプライチェーンマネジメント / サードパーティロジスティクス / 中国市場 / ロジスティクスシステム / 市場戦略 / 中国日系企業 |
Research Abstract |
本年度では、報告者はアンケート調査とフィールドリサーチを行いながら、着実に研究計画の実施を進めてきた。具体的には、(中国)西南交通大学物流学院と東京ロジスティクス研究所からの協力を得て、第二回中国日系企業のロジスティクスシステム構築実態に関するアンケート調査を実施した。合わせて3316社の日系企業に質問票を送付し、そのうち50社から有効回答が得られている。現在、回答の集計結果と初歩的分析をワーキングペーパーにまとめる作業に取り掛かっている。アンケート調査に先立って、報告者は2008年6月から8月にかけて上海、広州、重慶、成都、南京などの地域で、鉄道貨物輸送サービスの高度化、内航水運の発展、内陸部の保税物流拠点、日系小売企業のロジスティクスシステム構築、日系自動車企業のロジスティクス戦略などをテーマに地道なフィールド調査を行った。調査内容の一部はすでに報告者の公刊論文もしくは講演に反映されており、残りの内容も順次、論文にまとめる予定である。中国における鉄道貨物輸送サービスの高度化、内航水運の発展、内陸部の国際物流拠点整備といった問題は環境要因として、中国日系企業のロジスティクス戦略およびロジスティクスシステムの在り方に深く影響するにもかかわらず、日本ではまだ十分に研究されていない。したがって、報告者の実施している一連の調査作業は基盤情報の蓄積という点で重要な意味があると考える。なお、2回目となった今回アンケート調査(1回目は2005年に実施)は前回の結果と比較することによって、日系企業のロジスティクス戦略とロジスティクス体制構築の実態と方向性を的確かつ包括的に把握するためのデータ整備に貢献するものと考える。
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