2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国における物流産業の高度化と企業のロジスティクスシステム構築
Project/Area Number |
20683005
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
李 瑞雪 富山大学, 経済学部, 准教授 (20377237)
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Keywords | 中国物流産業の高度化 / ロジスティクス戦略 / サプライチェーンマネジメント / サードパーティロジスティクス / 中国市場 / ロジスティクスシステム / 市場戦略 / 中国日系企業 |
Research Abstract |
本年度は本研究プロジェクトの最終年度である。本年度では主に平成20年度から平成22年度の3年間に及ぶ調査研究で蓄積したデータの整理・分析を行い、単発的に刊行してきた本研究のテーマに関する論文とワーキングペーパー、論文予稿を丹念に再検討した。これらの作業を踏まえたうえで、本研究の成果を積極的に日本および海外の学会で発表すると同時に、学術誌への投稿を進めた。また、本研究の後続研究に向けての準備作業として、中国以外の新興市場国(例えば、インドやブラジル、ベトナムなど)の物流産業の発展状況とロジスティクス戦略に関する既存研究のサーベイを開始している。 今年度に発表した本研究に関する論文の主な内容は以下の通りである。(1)急成長の新興市場である中国におけるロジスティクスシステム構築のメカニズムを中国日系自動車メーカーを事例に解明した。(2)中国の水運体系における中核的な位置を占める長江水運システムの高度化を促す要素と、水運サービスの高度化による荷主企業のロジスティクス戦略構築へのインパクトを解明した。(3)中国における陸運サービス取引の中心的なプラットフォームである「貨運市場」の実態を解明し、その高度化プロセスを取引コスト理論に依拠して分析を試み、また「貨運市場」の高度化が荷主企業のロジスティクス戦略に与える影響を検討した。(5)新興市場におけるロジスティクス戦略の類型に関して探索的な考察を行った。 これらの研究課題はいずれも十分な蓄積がなく、実態解明とそれに基づく理論構築を急ぐことが学術的にも実務家への示唆という点においても極めて重要である。本研究の知見は新興市場国のロジスティクス戦略論の構築に向けて、大きな積み重ねになると考える。
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Research Products
(10 results)