2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20683007
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
杉山 崇 Kanagawa University, 人間科学部, 准教授 (40350821)
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Keywords | 抑うつ / 心理療法 / 来談者中心療法 / 認知行動療法 / 被受容感 |
Research Abstract |
申請者の理論研究 (杉山, 2006) を質的に検討するための、実的資料の資料収集を行った。資料収集の方法は、6名の臨床家への半構造化面接およびPAC分析で行った。被験者となる臨床家の選択基準は、1) 臨床歴10年以上、2) 臨床心理士または医師、3) 臨床心理士向けの指導的な役割を務めている (自費出版でない専門的な著作がある、臨床心理士資格更新のポイントの対象となる研修の講師を務める、など) 、以上3点である。インタビューの内容は、臨床的オリエンテーションについて、治療関係とは何か、治療関係の危険性、などの項目を刺激として用いた自由連想と「適切に展開した手応えのある心理療法と手応えのない心理療法」を刺激文として用いたPAC分析から構成された。 研究の成果は、いくつかの研究論文として学術誌への投稿を準備中である。 なお、この資料収集は21年度の前半まで継続して、PAC分析によって得られたクラスターを整理して、次の実験室研究につなげる治療関係の効果に関する仮説生成を行う予定である。 次に申請者らは抑うつへの治療的・予防的な対人関係を要約する概念として被受容感・被拒絶感を提案し,測定尺度を作成しているが (杉山, 2002, 2004 ;杉山・坂本, 2006) 、被受容感・被拒絶感を対人認知特性の変数として、対人刺激の質 (治療的-非治療的) と対人認知特性の交互作用において、治療的な効果が見込める対人刺激を特定する研究を21年度の後半に向けて計画している。候補となる対人刺激の選定を文献研究を通して行い、刺激の提示方法と手続きを検討した。また、治療的な効果の指標として、従来の質問紙やインタビューによる資料の他に生理学的な指標を取り入れることを月指して、適切な指標を選定するため文献を検討した。
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