2009 Fiscal Year Annual Research Report
群作用付孤立超曲面特異点のホモロジー的ミラー対称性
Project/Area Number |
20684003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 篤史 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50314290)
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Keywords | 幾何学 / 代数学 / 数理物理学 / ミラー対称性 / 特異点 |
Research Abstract |
群作用付孤立超曲面特異点のミラー対称性は,7,555個の位相的ミラー対をなすカラビ-ヤウ多様体の発見をもたらした.最近,堀氏・Orlov氏・研究代表者らにより,80年代中旬の特異点理論における行列因子化のアイデアで,その理解が急速に進んでいる. 離散群・特異点・ルート系・リー環・有限次元代数の間にある不思議な関係を解明するため,ホモロジー的ミラー対称性の観点から,今年度はとくにアーノルドの「奇妙な双対性」の完全解明を目指して研究を行った. これまでの研究において,「カスプ特異点」と呼ばれる良いクラスの特異点(であって,曲線特異点に帰着されるもの,とくに拡大ディンキン図形を消滅サイクルの格子としてもつもの,および単純楕円型特異点も含む)に対して,その「ミラー多様体」が射影直線を粗なモジュライ空間としてもつオービフォールドであることが判明していた.これにより,系統的に超曲面特異点に対して「カスプ特異点」を対応させる手法を見出すことが問題となった. この問題に対して,「可逆多項式」とその変形を考えることで,(5つの無限系列をなす)重みつき斉次孤立超曲面特異点から一般的に「カスプ特異点」を得ることに成功した.これに基づき定義される「Gabrielov数」により,これらの特異点に対して「奇妙な双対性」を証明し,それが群作用付孤立超曲面特異点のミラー対称性にほかならないことを示した.この定理を含む複数の結果をまとめて,論文「Strange duality of weighted homogeneous polynomials」(W. Ebeling氏との共著,arXiv:1003.1590)として発表した.
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Research Products
(12 results)