2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシン技術を用いた超軽量・高分解能宇宙X線望遠鏡の開発
Project/Area Number |
20684006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
江副 祐一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (90462663)
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Keywords | X線天文学 / X線望遠鏡 / マイクロマシン技術 |
Research Abstract |
本計画では、これまで世界最軽量であった日本のすざく衛星のX線望遠鏡を、重量で2桁軽量化しつつ、角度分解能は1桁向上した、「1000cm^2の有効面積と10秒角の分解能を備えたkgクラスの究極の軽量X線望遠鏡」を目指す。鍵となるのが日本が得意とする様々なマイクロマシン技術である。我々は本計画以前に、シリコン結晶異方性エッチングを用いて製作した鏡面で軽量化の基本概念を実証してきた。本計画では、(1)シリコンドライエッチングによる軽量X線反射用の微細構造の製作、(2)X線LIGAを用いた軽量X線反射用の金属微細構造の製作、(3)磁気流体を用いたエッチング面の研磨、(4)アニールを用いたシリコンエッチング面の平滑化、(5)塑性変形もしくは弾性変形による高精度な変形の開発を行う。この方法で開発する望遠鏡は我々のオリジナルである。 我々はドライエッチングとアニール、塑性変形を使った大開口効率(40%)の4インチシリコンX線光学系を試作し、本方式で世界で初めてのX線結像実証に成功した。またニッケルX線光学系の試作プロセスに目処を付けた。そして本格的な2段望遠鏡を目指して、2枚の基板の高精度アラインメント装置をデザインし、製作した。成果は国内学会で4件(うち招待講演1件)、国際学会で4件(うち招待講演1件)の発表を行った。さらに関連成果として6本の査読付き論文が出版され、1本の修士論文ぶ書かれた。
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