2010 Fiscal Year Annual Research Report
ω中間子束縛系の生成と崩壊の同時測定による中間子質量起源の探索
Project/Area Number |
20684008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小沢 恭一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (20323496)
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Keywords | 原子核実験 / ハドロン質量の起源 / カイラル対称性 / ω中間子 / J-PARC / 中性子検出器 / γ線検出器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原子核中での中間子の生成時の質量と崩壊時の質量の二つの測定を同時に行い、強い相互作用によって動的に中間子の質量が生み出される過程を探索することにある。具体的には、茨城県東海村のJ-PARC実験施設において、π中間子ビームにより原子核中にベクター中間子(本研究ではω中間子)と呼ばれる性質の良い中間子を生成し測定を行う。 本研究では、二通りの測定を実現するために、2種類の検出器を用意する必要がある。π-+p→ω+n反応の測定に用いる前方中性子の検出器とω中間子のπ中間子γ線崩壊を捉えるγ線検出器である。崩壊後のπ中間子は、さらにγ線二つに崩壊するので、合計3個のγ線を捉えることとなる。 本年度に、これまでの検出器開発などの研究成果を基に実験提案書を練り直し、J-PARCの正式な実験課題として採択された。 γ線検出器としては、J-PARCでの高計数環境に対応する読出し部のテストを進め、Avalanche Photo Diodeを用いたテストを行い、エネルギー分解能としては、従来のものと遜色ない性能を得つつ、1 moduleあたり1MHzの高計数率に対応できることを示した。さらに、得られた検出器性能を基により詳細なシミュレーションを行い、最終的な質量分解能として21MeV/c^2という高分解能を示した。また、これまでに製作してきた中性子検出器を実際にSpring-8 LEPSビームラインに持ち込み、テストし、十分な時間分解能が得られる事を示した。
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