2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20684011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 倫久 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (00376493)
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Keywords | 半導体 / グラフェン / 量子相関 / 電流相関 / 電流雑音 / 表面弾性波 / 量子情報 |
Research Abstract |
(1) 飛行電荷量子ビットの量子もつれ検出と制御 結合量子細線とABリングからなる飛行量子ビットの制御に成功した。この飛行量子ビットの制御を通して電子の伝播位相を正確に測定することにも成功した。また、クーロン相互作用を介して量子もつれを生成することを目指したが、量子ビットにデコヒーレンスを与えることは可能であったものの、1対1の量子もつれを実現することは難しいことがわかった。そのため、飛行量子ビット間で量子もつれを生成するためには今後は表面弾性波(SAW)を利用した量子ビットに集中する必要がある。そこで、SAWを利用した電子の輸送システムを立ち上げ、SAWによって単一電荷が運ばれる様子を観測した。 (2) 超伝導-低次元常伝導接合の量子もつれ生成と検出 InAsおよびグラフェンに超伝導金属と通常金属とを取り付けた構造を作成した。また、グラフェン-金属接合の接触抵抗を調べ、これらがゲート電圧やグラフェンの層数などに依存せず、ほとんど一定となることがわかった。さらに、多層グラフェンの電気伝導や電流雑音の測定を行った。特に、2層グラフェンでは、ホッピング伝導による雑音の抑制を観測した。 (3) 電流雑音および電流雑音相関の測定系の改良 これまで利用していた低温アンプは単一HEMT構造だったが、これをカスケードさせてより高い精度で測定することを検討した。また、交差アンドレーエフ反射の測定に向けて、雑音及び雑音相関に加え、電流雑音を計算するために必要となるすべてのコンダクタンス行列要素を得るために測定系の立ち上げを行った。
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Research Products
(17 results)