2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20684011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 倫久 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00376493)
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Keywords | 半導体 / グラフェン / 量子相関 / 電流相関 / 電流雑音 / 表面弾性波 / 量子情報 |
Research Abstract |
(1)飛行電荷量子ビットの量子もつれ検出と制御 結合量子細線とABリングからなる飛行量子ビットに表面弾性波(SAW)を組み合わせる実験を進めた。予定していた試料の作成に加え、単一電子制御を行うために新たに量子ドットを配置した構造を用い、量子ドットからSAWによって単一電子を取り出し、所望の経路を伝播させた上で別の量子ドットを使って伝播した電子を検出できることを確認した。これを結合量子細線やABリングと組み合わせることにより、純粋に単電子レベルでの制御が可能になる。また、SAWを用いない飛行量子ビットの制御系において、干渉計の対称性を高めることによって端子の電圧揺らぎの効果を抑え、コヒーレンス長を飛躍的に高めることに成功した。干渉の可視度の温度依存性から、低温でのデコヒーレンス要因がゲート電極と結合する電荷揺らぎであることを見出した。 (2)超伝導-低次元常伝導接合の量子もつれ生成と検出 InAs量子ドットに関しては、二つの量子ドットに共通の2つの超伝導電極を取り付けた構造を作製し、その電気伝導を調べた。そして、両方の量子ドットが共鳴条件にあるときに、超伝導電流が回復する様子を観察した。グラフェン-超電導接合にも成功し、超電導電流や多重アンドレーエフ反射などを観察した。バリスティックな接合を作成することが今後の課題である。また、ダブルゲート構造の作成技術を利用して、2層グラフェンを用いた新たなナノ構造の作成や3層グラフェンにおける量子ホール効果の観測などを行った。
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Research Products
(17 results)