2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20685002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 和行 Kyoto University, 理学研究科, 講師 (20379308)
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Keywords | NMR / 磁気アルキメデス浮上 / 核磁化 |
Research Abstract |
水滴の磁気アルキメデス浮上実験において、従来は考慮されてこなかった浮上条件への原子核スピン由来の磁化の寄与を検証するという目的のために、初年度である平成20年度は磁気アルキメデス浮上実験のための装置開発を行うとともに、予備的実験を行った。水滴等の試料を、高圧の酸素雰囲気下に置くための密閉容器を製作した。その際、試料をCCDカメラで観測するために、透明なアクリル製の窓を導入し、超伝導磁石の内部に挿入しても試料の様子を観察できるようにした。また超電導磁石内に挿入した試料容器内に酸素ガスを送り込み、その圧力を大気圧〜10気圧までコントロール可能できるようにセットアップをおこなった。当初は水滴の代わりに水分を多く含む果物や木の実を容器内に置き、酸素圧力を上げて磁気的に浮力を増大させて、果物等を浮上させることに成功した。またその後、数気圧の圧力で酸素密閉された容器内に水滴を注入する機構を自作し、水滴を浮上させることにも成功した。そこで次のステップである、浮上水滴のプロトンNMR実験を行うために、さらなる実験装置の改造・セットアップに着手した。また、NMRの技術で浮上水滴内のプロトンスピンを反転させた時に、水滴にどの程度の力が働き、どの程度力の釣り合う位置がシフトするか、理論的考察および数値的オーダーエスティメーションによる理論的考察も行った。
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