2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20685002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 和行 Kyoto University, 理学研究科, 講師 (20379308)
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Keywords | NMR / 磁気アルキメデス浮上 / 核磁化 |
Research Abstract |
本課題の目的は、磁気アルキメデス浮上実験において、従来-は考慮されてこなかった浮上条件への原子核スピン由来の磁性の寄与を検証することにある。20年度までに装置開発を進めて、磁気アルキメデス浮上物体をCCDカメラを用いて観測可能にし、水滴の近似的物体として水分を多く含むデラウエア葡萄・ナンテン等の果実を浮上させる実験を行ってきた。ただし果実においては正確な磁気感受率のもとに定量的な磁気浮上の議論を行うことが難しいため、21年度は高圧酸素容器内に水滴を注入させる機構を組み込むことに取り組み、その結果無容器の水滴の磁気アルキメデス浮上を行うことに成功した。さらに次のステップとして、浮上している水滴中に含まれる水素原子核(プロトン)の磁化を核磁気共鳴(NMR)現象を利用して操作するために、酸素高圧容器中にNMR用のラジオ波送信コイルを制作し、気密性を保ちながらにして高圧容器の外部と電気信号の入出力が出来るように端子を設置した。また高周波コイルはトリマコンデンサを用いてNMRの共鳴周波数(本研究の場合約450メガヘルツ)においてインピーダンスを整合させることが出来るようになっており、浮上水滴中の核スピンに対してラジオ波パルスを照射する準備を整えた。さらに、ラジオ波パルスの送信およびNMR信号の受信のためのNMR分光計の開発も完了した。
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