2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20685002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 和行 京都大学, 理学研究科, 講師 (20379308)
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Keywords | 磁気アルキメデス浮上 / 核磁化 / 核磁気共鳴 |
Research Abstract |
本課題の目的は、磁気アルキメデス浮上実験において、従来は考慮されてこなかった浮上条件への原子核スピン由来の磁性の寄与を検証することにあった。20年度~21年度にかけては実験装置の開発を主に行い、超電導電磁石中の磁気アルキメデス浮上物体をCCDカメラで観察したり、浮上物体に対して核磁気共鳴実験に必要なラジオ波を照射することを可能にしてきた。22年度は、これらの装置を用いて、磁気アルキメデス浮上物体に対して核磁気共鳴実験を適用する試みを行った。まず、浮上物体に適切な周波数のラジオ波を適切な強度で照射するための校正実験を行い、ラジオ波のエネルギーと磁場強度の関係に関するデータを取得した。次に、磁気アルキメデス浮上している物体に対する、力学的共振周波数の見積もりを行った。さらに、浮上物体の上部と下部における磁場強度の違いから、核磁化を反転させるための断熱的なラジオ波周波数の掃引に関する条件を検討した。最後に、浮上物体中のプロトンの核磁化をラジオ波で反転させる実験を行い、浮上物体が上下に揺さぶられる現象を観測したが、核磁化の反転以外に存在しているとみられる、電場やそれに伴う熱的な擾乱の影響を排除できなかったため、核磁化の寄与の実験的な証明をするには至らなかった。
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