2008 Fiscal Year Annual Research Report
高機能化した蛍光性温度センサーによる細胞内の温度分布イメージング
Project/Area Number |
20685006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 聖一 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (10401225)
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Keywords | 蛍光 / 高分子 / 温度 / 分析 / 細胞 |
Research Abstract |
本年度は生細胞を測定対象とする蛍光性温度センサーを開発し、実際に生細胞の温度測定を行った。まず生細胞用の蛍光性温度センサーとして、N-イソプロピルアクリルアミド、蛍光性ベンゾフラザン、N,N'-メチレンビスアクリルアミドから成る直径50nm程度の親水性ナノゲル微粒子を合成した。この微粒子に対して生細胞中における機能評価を行ったところ、細胞の温度が27から33℃に上昇すると、蛍光強度が150%以上増加することが分かった。この温度範囲における蛍光性温度センサーとしての温度分解能は0.29から0.5℃であり、開発した蛍光性温度センサーを利用することで生細胞の正確な温度測定が可能になった。さらにこの蛍光性温度センサーを利用して、脱共役剤やアポトーシス誘導試薬により生細胞を刺激した際の温度変化も追跡できた。 以上の結果をJournal of the American Chemical Society誌上(C. Gota et al., J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 2766)で論文公表した。本成果は東京新聞(2009年2月17日付)、日本経済新聞(2009年2月23日付)、朝日新聞(2009年3月20日付)等で一般にも広く紹介されている。また本研究分野の代表として、蛍光性温度センサーについての解説記事を計測と制御誌(計測自動制御学会の機関誌、2008年5月号「特集:温度計測技術の新たな展開」)に寄稿した。
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