2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20685007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内村 智博 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (40346820)
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Keywords | 環境分析 / 計測工学 / 有害化学物質 / レーザーイオン化 / 質量分析 / 多光子イオン化 |
Research Abstract |
本研究では、従来連続導入に用いられているキャピラリー導入法とパルス導入法を融合させた、オンライン濃縮/レーザー脱離試料導入法を開発し、ガスクロマトグラフィーならびに超音速分子ジェットに応用することを目的としている。本年度は、イオン化用光源にフェムト秒レーザーを用いる短パルスイオン化法と、試料の利用効率の向上が期待できるレーザー脱離試料導入法を組み合わせる方法を検討した。1kHzのナノ秒レーザーを脱離用レーザーとして、および同繰返し周波数のフェムト秒レーザーをイオン化用レーザーとして用い、それらを同期させ、オンライン濃縮/レーザー脱離・イオン化が可能かどうか確認を行った。その結果、信号強度の増加が確認され、本手法が1kHzのパルスノズルとして動作可能であることが示唆された。 また、ガスクロマトグラフと質量分析装置のインターフェイスとしてレーザー脱離試料導入法を適用した。本法を組み合わせたGC-TOFMSにおいて、10Hzの脱離レーザーを用いた場合、未照射時と比較して信号強度が大幅に増加することを確認した。また、本法の定量性を確認するため、濃度の異なる5種類の試料を用いてマススペクトルおよびマスクロマトグラムを測定し、それぞれのピーク面積から検量線を作成した。結果として良好な直線性を示し、本法が定量分析に応用できることが確認された。さらに、試料先端部の凝着量および最大凝着量を定量的に求め、試料の凝着過程についてモデル化を実施した。
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