2008 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属ー希土類金属複核シッフ塩基触媒の特性解明と新規触媒的不斉反応への展開
Project/Area Number |
20685008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 講師 (50334339)
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Keywords | 不斉触媒 / 不斉合成 / 希土類触媒 / シッフ塩基 / 複核錯体 |
Research Abstract |
2核性シッフ塩基触媒の化学をさらに発展させ、2種類の異なる金属を組み合わせキラル反応場を創製する手法の確立、一般化を行った。Cu,Ni,Pd,Rh,Ir,Zr,Hf,Co,Cr…などと各種希土類金属を組み合わせた場合の構造変化、反応性と選択性の変化を系統的に調べ、さらに遷移金属を2つ組み込んだ錯体の調製も検討した。ジアミン部と添加剤のアキラルなフェノールの影響も精査し、フェノール性添加剤の有無による構造変化と機能面への影響について精査した。従来の単核サレン金属触媒を使用する手法では実現が困難である反応の開発を指標として、調製した各種複核触媒の機能評価を行った。金属の組み合わせにより形成される不斉場が触媒反応に与える影響を精査することを最大の目標とし、特に立体選択性の発現において従来型の触媒では困難であった反応に着目した研究を行った。具体的には(1) α-置換ニトロアセテートを求核剤とするイミンとの反応および(2) ケトエステルを求核剤とするマンニッヒ型反応、(3) β-ケトリン酸エステルを求核剤とするイミンへの付加反応および(4) ケトエステル、ニトロエステルの電子不足アルキンへの共役付加反応、(5) ニトロオレフィンへの共役付加反応の開発に成功した。また、触媒の反応機構解明、構造解明に関しても系統的な検討を行い、新規に遷移金属を外部配位場に取り込んだ複核シッフ塩基触媒系の基盤を確立した。これにより平成21年度以降のより挑戦的な新規反応開発に向けての基盤を整えることができた。
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Research Products
(6 results)