2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20685011
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 美貴 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (70306497)
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Keywords | ランタニド錯体 / 偏光発光 / 分子性超薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、高効率な分子内エネルギー移動を組み込んだランタニド錯体を用い、その偏光発光発現と制御を目的としている。本研究課題を遂行した2年間で合成することができた新規化合物phen-C18は、フェナントロリンにアルキル鎖を導入したアンテナ分子である。Phen-C18は、界面活性剤として機能し、また金属イオンに対しては配位子として錯形成する。Phen-C18は、ユーロピウムに対して2:1の化学量論比で錯形成し、紫外光照射により目視できるほどの明るい赤色発光を示す。 Phen-C18のユーロピウムを含むラングミュアブロジェット(LB)膜の作製は、これまでの方法と同様に行った。すなわち、phen-C18のユーロピウム錯体とステアリン酸をクロロホルムに溶解し、この溶液を大気/水界面に滴下することで単分子膜を作製した。この時の成膜条件として、20mN/m程度の表面圧が必要であることが分かった。この膜を石英基板上に複数層累積させ、このLB膜の発光スペクトルの測定を行ったところ、配位子であるphen骨格に由来するππ*遷移とユーロピウムのff発光が観測された。偏光発光スペクトルの測定を試み、光アンテナとなる芳香族部位の発光の偏光角とユーロピウムのff発光の偏光角の違いから、エネルギー移動と遷移モーメントの相関について現在考察を行っている段階である。 2010年5月には希土類討論会でのシンポジウムで依頼講演を行い、ユーロピウム錯体の薄膜化による発光の偏光現象について議論を行った。また、同9月の錯体化学討論会International Sessionで有意な議論を行った。同11月および12月には、国外の国際会議で招待講演を行っている。この実験過程で得られた技術と知識をもとに、論文を共著で作成した。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] π-Conjugated polymers consisting of isothianaphthene and dialkoxy-p-phenylene units : Synthesis, self-assembly, and chemical and physical properties2010
Author(s)
Takakazu Yamamoto, Motoaki Usui, Haruki Ootsuka, Takayuki Iijima, Hiroki Fukumoto, Yoshimasa Sakai, Shinji Aramaki, Hiroshi M.Yamamoto, Takehiko Yagi, Hiroyuki Tajima, Taku Okada, Takashi Fukuda, Akira Emoto, Hirobumi Ushijima, Miki Hasegawa, Hideki Ohtsu
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Journal Title
Macromol.Chem.Phys.
Volume: 211
Pages: 2138-2147
Peer Reviewed
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