2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20685012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 守俊 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00323501)
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Keywords | プローブ / タンパク質リン酸化 / 可視化 / 生物発光 / in vivo / キナーゼ / イメージング / シグナル伝達 |
Research Abstract |
タンパク質のセリン・スレオニン・チロシン残基のリン酸化は,細胞内シグナル伝達のON/OFF調節に関わる最も主要な分子過程である.本研究では従来にない全く新しい原理の分子プローブ("分解制御型プローブ"と呼ぶ)を開発し,生体内(in vivo)ならびに細胞内の微小ナノ局所におけるタンパク質のリン酸化の可視化計測を共に実現することを目的とする. 平成21年度においては,主として,平成20年度までに作製した分解制御型プローブのキャラクタラリゼーションを行った.特に,分解制御型プローブの細胞内での寿命(非常に短寿命である)が,タンパク質リン酸化を受けることによって著しく延長されることを明らかにした.リン酸化受容体としてはたらくアミノ酸残基をリン酸化を受けないアラニンに置換した変異体では,そのような寿命の延長は観察されなかった.このことから,設計した分解制御型プローブは,期待通りのメカニズムで細胞内で機能していることが明らかになったさらに,外部刺激(インスリン)濃度に依存して,当該プローブの生物発光活性が上昇することを示した.細胞レベルでの検討を踏まえ,次にマウス生体(in vivo)での分解制御型プローブの検討を行った.分解制御型プローブを発現する細胞をマウスに移植(xenograft)し,高感度CCDカメラを設置した暗箱中でこのマウスを可視化したところ,インスリン依存的に分解制御型プローブの生物発光が上昇する様子が観察された.このことから,本プローブが生体においてタンパク質リン酸化を可視化する分子プローブとして機能することが分かった.
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