2009 Fiscal Year Annual Research Report
三次元超解像イメージングによる単一高分子鎖の立体構造・ダイナミクスの評価
Project/Area Number |
20685016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 裕之 Kyoto University, 先端医工学研究ユニット, 准教授 (90343235)
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Keywords | 単一高分子鎖 / 表面・界面 / 分子運動 / 高分子ダイナミクス / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、蛍光顕微鏡画像内において分子一個のみが観測される状況では数ナノメートルの精度で分子の座標を決定可能であることを利用し(Fluorescence Imaging in One-Nanometer Accuracy : FIONA)、ナノメートルスケールの空間分解能での超解像光学画像観察を可能にすることを目指している。FIONAにおいて必須となる"蛍光顕微鏡画像内において分子一個"という観察条件を可能にする試料としてフォトクロミック性色素分子を用いる必要があるが、ここではスピロピラン系分子(1-(2-hydroxyethyl)-3,3-dimethylindolino-(6'-nitrobenzopyrylospiran : SP)を用い、顕微鏡システムの開発と基本動作の検証を行った。スピロピランは可視域においては無色であるが、紫外光照射によってメロシアニン型へ異性化し蛍光を発する。SPの蛍光→非蛍光性を制御しながらの観察を実現するシステムとして、蛍光観察用の照明光に併せて、任意の強度とタイミングで紫外光を照射可能な顕微鏡を構築した。SPを分散したPMMAフィルムの観察を行うことで観察システムの検証を行った。その結果、CCDカメラによるフレーム取込に同期して、フォトクロミック色素の活性化・非活性化を行い、その蛍光画像観察を行うことが可能な顕微鏡システムの構築に成功したことが分かった。一方、同手法による画像観察においては単一分子から10^5 photons/sec以上の十分な強度の蛍光を観察する必要があるが、SPの蛍光強度は低く、超解像観察において十分の空間分解能を達成できない可能性が高いことが判明した。そのため、フォトクロミック性を有しながら強い蛍光を発する新たな色素分子を探索する必要があることが分かった。
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Research Products
(17 results)