2010 Fiscal Year Annual Research Report
三次元超解像イメージングによる単一高分子鎖の立体構造・ダイナミクスの評価
Project/Area Number |
20685016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 裕之 京都大学, 先端医工学研究ユニット, 准教授 (90343235)
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Keywords | 単一高分子鎖 / 表面・界面 / 蛍光顕微鏡 / 分子運動 / 高分子ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究は超解像光学技術を応用することで、高分子鎖一本のコンホメーションを三次元観察可能な新しい顕微鏡システムを開発し、高分子の物性評価を行うことを目的としている。前年度までにフォトクロミック色素分子を利用した超解像光学顕微鏡(Photo-Activated Localization Microscopy ; PALM)を構築し、スピロピラン系色素分子を用いて動作確認を行った。本年度では、高分解能観察が可能なフォトクロミック色素分子の探索を行った。その結果、ローダミンスピロアミド分子が、比較的良好な光活性化能を持ち、また蛍光体において強いシグナルを発することを確認した。次いでローダミンスピロアミド色素によって蛍光ラベルされたポリブチルメタクリレート(PBMA)を合成し、その単一高分子鎖のコンホメーション観察を試みた。ローダミンスピロアミド部位を有するメタクリレートモノマーを合成し、これとメタクリル酸ブチルのリビングラジカル共重合によって分子量160万の蛍光ラベルPBMAを得た。これを蛍光ラベルしていないPBMA中に分散して薄膜試料を作製し、PALMによる観察を行った。その結果、膜面内方向では空間分解能約20nm、高さ方向においては約80nmの分解能でのコンホメーション観察に成功した。これによって従来の手法では困難であったバルク中における高分子鎖について単一分子レベルの構造評価を可能にした。
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Research Products
(5 results)