2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20686004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 秀士 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30322853)
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Keywords | 表面元素分析 / 非接触原子間力顕微鏡 / 放射光X線 / 力相互作用分析 / X線支援非接触原子間力顕微鏡 / XANAM |
Research Abstract |
本年は昨年に引き続き、二次元画像化の高分解能化を目指した装置改良、およびより評価に最適な試料調製を行った。 1.大部分の装置改良は前年度までに終了したが、残る課題として空間分解能を評価するためのXANAM測定に適した探針の作成法は未だ歩留まりが悪く改良が必要であった。そこでまず、探針作成の歩留まりを向上するシステムの構築を行い測定の高効率化をはかった。評価は、これまでと同様に、XANAMスペクトル測定や元素選別、化学状態選別マッピング像の取得を行った。試料は、AuおよびNi蒸着を施したSi基板、Au蒸着、およびナノ粒子吸着を行ったTiO2基板を用いた。昨年度からいろいろな試行錯誤の結果、やはりQTF型AFMプローブの作成における金属細線の固定方法が問題であったことがようやく明らかになった。また性能は必ずしも金属の先端処理にはよらなかった。個別に操作を行っていたX線制御系とAFM操作系をできるだけ統合する操作系の改良を行うため、日本ナショナルインツルメンツ社製のPXIコントローラにロックイン検出が可能な入出力系を導入し、統合制御モジュールの作成を行った。これにより人為的に操作ミスを防止し効率性の高い操作系を導入できたと思う。 2.試料作成の工夫として、これまでの蒸着試料に加え、Au光析出によるナノ構造体試料の調製に成功した。塩化金酸を使用し光分解過程を検討することで、TiO2基板上に明らかに通常とは異なる線状の構造体が生成することが見いだされた。詳細はまだ明らかでないが、意外にも生物学におけるチューリングパターン模様が、ナノスケール構造体の模様に酷似していた。すなわち、無機系のナノスケール現象において、生物系アナロジーが見いだされた可能性がある。このようなパターン構造体を試料に用いたXANAM測定によって空間分解能評価を行い、改良の成果があったことを確認した。
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