2010 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーテラヘルツ光源を用いた新しい極限物性科学の創成への挑戦
Project/Area Number |
20686005
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
東口 武史 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (80336289)
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Keywords | テラヘルツ / 極限物性科学 / 軟X線 / 吸収分光 |
Research Abstract |
高強度レーザー生成プラズマベースのコンパクトでサイクル数を制御する高エネルギーテラヘルツ光源を実現し,テラヘルツ光ポンプ-X線光源プローブ法なるオリジナルでユニークな診断技術を開発することを目指している.この先進診断技術を用いて,非線形フォノンを伴う極限局所相転移などの非線形固体物性ダイナミクスの観測を世界に先駆けて実現し,新しい物性科学を創成できるのではないかとの考えに基づき,その研究を実現するための光源開発を行った.平成22年度は,数サイクルテラヘルツ放射の実験を行い.ボロメータを用いてエネルギー計測を行った,この実験結果は現在論文投稿準備中である. また,高出力テラヘルツ光源であるDARCは,(a)あらかじめ媒質中に励起した周期静電場を,(b)超短パルスレーザーの光電界誘起イオン化フロントにより,正弦的(周期)静電場を相対論的ドップラー効果により圧縮し,(c)テラヘルツ光に変換し,自由空間に取り出すという電磁界の圧縮現象を用いている.この動作を明らかにしつつ,放射特性を明らかにした.特に,放射されたテラヘルツ電磁波の時間波形はDARCの静電場のプロファイルを引き継いでいることが観測された.また,吸収分光を行うためのコンパクトな極端紫外光源の開発も行った.特に,アルカリ金属蒸気を用いる極端紫外光源の自己吸収特性や希土類金属を用いる広帯域極端紫外光源の放射特性を明らかにした.これらの研究成果はNature Photonicsのnews&viewsにも紹介され,新聞発表もなされた.また,Journal of Applied PhysicsのHighlightsにも掲載された.
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