2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織的手法によるナノ構造集合薄膜の創製とその力学特性評価
Project/Area Number |
20686010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平方 寛之 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40362454)
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Keywords | ナノ構造 / 薄膜 / 力学特性 / 材料力学 / 自己組織化 |
Research Abstract |
ナノメートルオーダーの3次元構造を有する要素を密集配列したナノ構造集合薄膜は、従来の材料では発現し得ない特異な力学特性を示す。その特性を用いることによって、様々な機能を持つ微小電気機械デバイスを創生することが期待できるが、その実現にはナノ構造集合薄膜の変形と破壊に関する基礎的な理解が不可欠である。本研究は、自己組織的手法によって任意の材料に対して形態を制御したナノ構造要素群の作製が可能である動的斜め蒸着法に着目し、力学的自由度の高い薄膜作製法の開発、およびその特異な変形と破壊を支配する力学の解明を目的とする。 とくに、ナノ要素と基板の界面では、界面端部にナノスケールの特異応力場が存在するが、このような微小な特異場が強度に及ぼす影響は明らかになっていない。本年度は、その解明のため、ナノ構造要素を基板と均質層で挟み込んだサンドイッチ構造からなるマイクロ試験片を用いた独自の界面強度評価実験方法を開発した。本手法を用いて、チタン傾斜ナノコラムとシリコン基板の界面強度評価実験を実施した。その結果、ナノ構造を制御することによって巨視的な構造としての界面強度を制御できること、直径が10nmオーダーのナノ構造の界面破壊はnmオーダーの極めて局所的な応力拡大によって支配されることを明らかにした。 さらに本年度は、自己組織的手法によって外部構造を付与することによって変形裕度を大幅に向上した自立ナノ薄膜、およびナノ構造集合膜にナノ粒子を集積させたナノ複合構造を創生し、それらの機械的特性を評価した。また、ぜい性的なセラミックスの自己組織化ナノチューブ集合薄膜を作製し、その強度特性を評価した。
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