2009 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的な感性要求を抽出するための想定外視点提示システムの構築
Project/Area Number |
20686012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 秀吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20396782)
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Keywords | 設計工学 / 感性情報学 |
Research Abstract |
本研究では,人の感性に依存する評価および問題発見のための観察において,評価者(観察者)が想定外の視点を提示することにより,評価者に内在する潜在的な評価基準や問題を抽出する支援システムの構築を目的としている.本目的のための方法として,複数人の評価者間で相補的な視点を共有する仕組みを支援システムとして実現することを技術課題とする. 今年度は,製品の外観デザインに対する顧客の感性評価を対象として,(1)評価時の視線履歴から顧客の潜在的な評価視点から推定するアルゴリズム,(2)感性評価結果に寄与するデザイン属性の抽出法を開発した.(1)では,評価時の評価者の観察と内観調査から,部分に注目している状態と,部分間のバランスや距離に注目している場合の二つの注目パターンが存在することが分かった.そこで,停留時間と注視の連続発生回数に着目した視線特徴量を用いて,二つの注目パターン,すなわち単一の箇所に注目すSVA(Single Visual Attention),および複数の箇所のバランスや距離を注目している状態CVA(Combination Visual Attention)を個別に推定する方法を提案した.(2)では,推定された,SVAとCVAに該当する設計要素に含まれる設計属性のみを要因とし顧客の感性評価を結論とした因果ルールを,ラフ集合理論を用いて抽出する方法を提案した.これにより,顧客が実際に注目した部分や部分の組み合わせに基づいて,顧客の評価に影響する属性を精度良く推定することを可能とした.開発した上記(1),(2)の方法を乗用車の内装デザインに適用し,提案手法の有効性を定量的に評価した.本年度の成果は,国際会議(ASME iDETC2010)に投稿済みである.今年度開発した視点推定手法を,来年度,複数の評価者(顧客)間での想定外視点の共有の効果を確認する実験に応用する予定である.
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Research Products
(1 results)