2008 Fiscal Year Annual Research Report
低消費電力・高精細大画面液晶テレビ用高性能ゲルマニウム薄膜トランジスタの開発
Project/Area Number |
20686021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 哲也 Tohoku University, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (00359556)
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Keywords | ゲルマニウム / シリコンゲルマニウム / マグネトロンスパッタ / 薄膜トランジスタ |
Research Abstract |
移動度の高いGeを用いた高性能Ge薄膜トランジスタを実現するには、狭バンドギャップに起因するリーク電流増大を徹底的に抑える必要がある。このためには、プラズマダメージを低減した成膜条件によるGe薄膜中の欠陥の徹底的低減、及びGeにSiを混ぜたSiGe薄膜による広バンドギャップ化の検討が重要である。本年度は、RF放電マグネトロンスパッタによるSiGe薄膜形成、及び回転マグネットスパッタによるGe薄膜形成を行い、その膜質を調査した。SiGeについては、Siを20%程度導入したSiGe薄膜のスパッタ成膜を行った結果、およそ融点の半分の温度である300℃程度以上で結晶化が起こり、350℃成膜においては結晶化率(Crystallinity)50%程度以上を実現した。また基板RFバイアスを導入して成膜時のイオン照射エネルギーを増加させることで、300℃成膜においても結晶化率35%が得られた。またGe薄膜についてはSiGeよりも低温の250℃程度から結晶化が起こることを見出し、結晶化率は280℃程度以上で50%程度であることが分かった。さらにSiO_2(100nm)/p^+-Si基板上へのGeアイランド形成及びアルミ配線形成を行い、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの試作を行い、そのトランジスタ動作を確認した。ただし、On/Off比は結晶化したGe薄膜よりもむしろアモルファスGeにすることで向上することが見出された。21年度は高性能薄膜トランジスタを実現する薄膜形成条件を詳細に検討する予定である。
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