2009 Fiscal Year Annual Research Report
気相拡散支配面積選択成長による窒化物半導体集積多波長光源
Project/Area Number |
20686022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90323534)
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Keywords | 有機金属気相成長 / MOVPE / 選択成長 / GaN / InGaN / 発光波長制御 / 発光ダイオード / 多色集積 |
Research Abstract |
従来用いてきたc面サファイア基板上のGaNテンプレートを用いつつ,InGaN井戸における量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)の効果を低減するため,選択成長したGaN六角錐の斜面({11-22}面)上にInGaN/GaN多重量子井戸を成長する戦略をとった.GaN六角錐の成長には成長条件の精緻な制御が必要であり,c面上の成長に比べて低温かつ低V/III比のもとでの成長条件を確立した.また,六角錐の成長は反応器内壁の状態により敏感に依存するため,反応容器のクリーニングを頻繁に行うなど成長環境の厳密な制御が再現性ある実験のために必須であることが判明した.さらに,後にInGaN井戸の厚さを面内で制御するために選択成長マスクの幅を変調しているのだが,これによりGaN六角錐の成長が異なるため,成長の速い幅広マスクに囲まれた六角錐まで綺麗に結晶成長するべくGa原料の分圧を低下させて全体的にGaNの成長速度を落とす必要があった. 以上のようにして形成したGaN六角錐の上にInGaN/GaN多重量子井戸を成長したのだが,c面に比べて表面モフォロジーが悪化しやすく,再現性のある平坦な結晶成長が可能な条件を得るために成長速度の微調整を入念に行った.その結果,GaN六角錐の斜面にInGaN/GaN多重量子井戸を形成し,カソードルミネッセンスによって400~500nm領域に発光を得ることに成功した.ただし,{11-22}面はc面((0002)面)に比べてInGaN層へのInの取り込み効率が悪く,500nmよりも長波長側の発光を得ることはできなかった.
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Research Products
(5 results)