2010 Fiscal Year Annual Research Report
気相拡散支配面積選択成長による窒化物半導体集積多波長光源
Project/Area Number |
20686022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90323534)
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Keywords | 有機金属気相成長 / MOVPE / 選択成長 / GaN / InGaN / 発光波長制御 / 発光ダイオード / 多色集積 |
Research Abstract |
六角形パターンを施したサファイア基板上のGaNテンプレートに対してGaN六角錐のピラミッド成長を行った.その上にInGaN/GaN多重量子井戸を成長し,これまでに達成してきたc面(平面)上の成長に比べてピエゾ電界による量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)の効果を低減することで,長波長側への発光波長制御範囲の拡張を狙った. GaN六角錐の<0001>方向への成長速度が六角錐を囲むマスクの幅に依存する様子を観察した結果,すでに取得している六角錐成長条件における製膜種の横方向気相拡散長(D/k_s)を用いて予測される成長領域の気相製膜種濃度と<0001>方向への成長速度は比例することがわかった.これは,六角錐のように特異的な形状を持つ構造であっても,各面における成長速度のマスクパターン依存性は,従来提唱してきた製膜種の気相拡散モデルで説明できることを示す結果である. つぎに,GaN六角錐の斜面({11-22}面)にInGaN/GaN多重量子井戸を成長した.量子井戸からの発光をカソードルミネッセンスで観察したところ,六角錐を囲むマスク幅の増大にともなって発光波長が長波長側にシフトするという,従来c面に成長したInGaN/GaN多重量子井戸と同様の傾向を示した.これは,GaN同様にInGaN井戸の成長速度も六角錐を囲むマスク幅に依存するため,マスク幅が広いほど量子閉じ込め効果が低減して有効バンドギャップが長波長化するというメカニズムが働いていることを示すものである.これにより,400~500nmの領域でInGaN井戸からの発光波長をマスク幅により連続的に制御することに成功した. さらに六角錐の表面にリフトオフ法により電極を形成し,電流注入による発光にも成功した.この際の発光波長は,カソードルミネッセンスによるものとよく一致しており,GaN六角錐を用いた多色発光LEDの基礎原理検証に成功したといえる.
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Research Products
(6 results)