2008 Fiscal Year Annual Research Report
垂直磁化ナノドットのマイクロ波アシスト磁化反転と不揮発メモリへの応用
Project/Area Number |
20686025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
能崎 幸雄 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (30304760)
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Keywords | マイクロ波アシスト記録 / 磁化反転 / ネットワークアナライザ / 強磁性共鳴 / 垂直磁化膜 |
Research Abstract |
異方性磁界の大きな次世代垂直媒体の記録方式として、マイクロ波アシスト磁化反転(MAMR)が注目されている。しかし、垂直磁化膜パターンに対するMAMRの検証はこれまでまったく報告されていない。本研究の目的は、垂直磁化膜パターンのMAMRに求められる諸条件を実験的に明らかにすることにある。本年度は、MAMR実験に適した垂直磁化膜パターンの作製と、ネットワークアナライザFMR分光法を用いた垂直磁化膜の磁化反転検出を試みた。以下に成果をまとめる。 (1)最大6kOeの直流磁界を印加可能なマイクロ波プローバ装置を作製し、これに40GHzネットワークアナライザと40GHz信号発生器を接続したMAMR検出実験装置を組み立てた。 (2)スパッタリング条件を最適化することにより、保磁力および異方性磁界がそれぞれ1.2kOeおよび17kOeの垂直磁化膜([Co(1.7Å)/Pd(8Å)]_<20>多層膜)を作製することに成功した。この垂直磁化膜を10×100μm^2に微細加工し、ネットワークアナライザFMR分光法によりその強磁性共鳴特性を調べた。FMRスペクトルの線幅からダンピング定数α(スピン系に作用する摩擦の大きさを表すパラメータ)を測定した結果、0.06〜0.08となり、MAMR実現に必要な条件(α<0.2)を満足していることを確かめた。 (3)保磁力以下の直流バイアス磁界下で垂直磁化膜パターンのFMR周波数を測定することにより、マイクロ波磁界の印加による磁化反転を検出することに成功した。
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