2008 Fiscal Year Annual Research Report
超並列光ヘテロダイン法によるミリ波実時間映像化に関する研究
Project/Area Number |
20686027
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笹川 清隆 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (50392725)
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Keywords | イメージング / 電界 / ミリ波 / 電氣光学効果 / リアルタイム |
Research Abstract |
本年度は, ミリ波電界の実時間映像化のための基礎技術として, ミリ波変調光生成の研究と, 差動検出型イメージセンサの基礎検討を行った. ミリ波電界の実時間映像化においては光ヘテロダイン検波を行うため, ミリ波変調光源が必要となる.高周波変調は光通信で用いられているデバイスで可能であるが, その多くは, 波長1.55um帯用に設計されている.本研究で使用するCMOSイメージセンサはSiプロセスにより作製されるため, 1.55um帯の光を検出することはできない.そこで, 1.55um帯において変調後に第2高調波発生器によって波長変換する手法の研究を行った.理論検討により, 波長変換後において不要周波数成分が低減される変調手法を明らかにし, 実験によって原理実証を行った.これにより, 光ヘテロダイン検波に適した波長775nm, 周波数間隔100GHzの変調信号生成に成功した. ミリ波映像化装置では検出感度の改善が課題となる.本装置では, 信号検出としてレーザーを使用するが, 光源には強度雑音成分が含まれる.これは差動検出手法により低減することが可能であるが, 通常のイメージセンサを用いた装置構成では実現が困難であった.そこで, 差動検出を単一素子で実現するCMOSラインイメージセンサの提案と基本設計を行った.センサに内蔵された差動増幅器により, 対称に配置された画素間の光強度の差分を検出することにより, 雑音成分の低減と検出信号オフセット除去を行うことで高感度化を図るものである.平成21年以降, 試作素子における検証を予定している.
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