2010 Fiscal Year Annual Research Report
超並列光ヘテロダイン法によるミリ波実時間映像化に関する研究
Project/Area Number |
20686027
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
笹川 清隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (50392725)
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Keywords | イメージング / 電界 / ミリ波 / 電気光学効果 / リアルタイム |
Research Abstract |
ミリ波電界イメージング装置では,電気光学結晶のポッケルス効果を利用することによって測定対象となる高周波電界がプローブ光の偏光変調へ変換され,イメージセンサによって検出される.本年度は,電界イメージングの高感度化にむけて,検出器となるイメージセンサの試作を行った. 従来の電界イメージングにおいては,外部の偏光素子を用いて偏光変調を強度変調に変換していた.イメージセンサ画素上に偏光子を搭載することで複数の偏光方向を一括して得ることができる.それぞれの出力を差動検出することにより,感度向上が期待される.先端の65nmCMOS LSIプロセスの配線層を用いて金属グリッド偏光子を設計し,これを統合したイメージセンサを作製した.金属グリッド偏光子は周期が波長よりも十分小さくなければならないが,先端プロセスにより達成することができる.搭載した偏光子により,波長633nmにおいて消光比40以上を達成した.これにより,電界イメージングの感度向上および装置の小型化の可能性が示された. 高周波電界の電気光学結晶への印加による微弱な偏光変化を検出するため,画素間の差動検出を実現するイメージセンサの設計を行った.互いに直交する偏光子を搭載した画素列の2列を一組として,列間の差動増幅信号を得ることにより,偏光変化文の信号のみを増幅し,高感度検出が可能となると期待される.イメージセンサを試作し,列間に配置した差動検出増幅回路により差分信号を得ることに成功した.
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