2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ燃料の増産は世界の水危機状況においても許容されるか?
Project/Area Number |
20686033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鼎 信次郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (20313108)
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Keywords | 世界水資源 / バイオ燃料 |
Research Abstract |
・将来気候シナリオの作成 : 温暖化時の気候データを大きなバイアス無しに世界水資源モデルへ与えるための、バイアス補正とマルチモデル的アンサンブルの手法について検討し、簡便でありながら誤差の少ない手法を開発した。これによって将来の世界水資源モデルのシミュレーションが、比較的簡便でありながら、これまでになく高精度で可能となった。 この手法を用いて1950年頃から2100年までの気温と降水量を中心とした将来気候シナリオを作成した。 ・全球統合水資源モデルの改良 : これまでも全球統合水資源モデルを開発してきた。陸面の水熱収支、河川流出、農業・工業・生活取水、大規模貯水池操作、環境用維持流量などの要素を考慮し、世界全体1度グリッド・日単位で計算が行なわれるものである。さらに中小規模の貯水池からの取水および化石地下水からの取水項も追加してきた。 ここでは、水資源モデルとしてもパラメータ最適化などの余地が残っており、それらを進めた。本課題にとって重要改良として、食糧・農業モデル部分の改良は、特に集中的に行なった。作物収量および取水量は必ずしも適切な値とはなっていなかったものを、観測値と比較し改良をなった。今後は、収量の妥当な算定のためには、各国によって異なる肥料投入量や労働効率なども考慮してパラメータを設定する必要がある。
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Research Products
(4 results)