2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ燃料の増産は世界の水危機状況においても許容されるか?
Project/Area Number |
20686033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鼎 信次郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (20313108)
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Keywords | 水資源モデル / 世界水危機 / バイオ燃料 |
Research Abstract |
一見したところ地球にやさしいバイオ燃料であるが、その増産は、世界水資源の不安定化や、それによる食糧セキュリティの不安定化などの恐れを孕んでいる。本研究では、世界水資源の持続安定を踏まえた上で受容可能なバイオ燃料作物の増産可能量を示したい。これに答えるために、まず、様々な想定の下での複数の未来社会シナリオを作成したい。次に、統合水資源モデルを用いて、それぞれのシナリオ下における持続可能性、を算定したい。本年度は前年度にひき続き、 ・全球統合水資源モデルの改良を行なった。特にバイオ燃料のもととなる農作物の収量のシミュレーションについて多くのvalidationとcalibrationを進めた。 ・将来シナリオ(特に気候シナリオ)の作成: IPCCが次の将来CO2排出シナリオを決定するのは予定よりずれこんで平成21年度の途中となり、未来の気象・気候予測は、そのCO2排出シナリオを用いて気候学者らによって行なわれるため、平成22年度後半にデータとして現れる予定となった。ここでは、その気候予測データから本研究のための気候シナリオを作成するためのバイアス補正、時間方向のダウンスケールのためのツールを開発した。 ・将来予測シミュレーション: 新気候変化予測データが間に合わなかったため、ここでは、全球統合水資源モデルを用い、現在気候条件下での仮想的なシナリオとして、最大限どれだけのバイオ燃料を世界中に植え付け可能であるか計算した。その結果、現在の世界の必要エネルギーを満たすに十分な値が得られることが分かった。 ・世界全体の影響評価・アセスメント: それぞれのシナリオにおいて、世界各地の水ストレスなどを算出し、人類にとって許容可能な将来シナリオをアセスする準備をはじめた。
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