2010 Fiscal Year Annual Research Report
先進電子顕微鏡法に基づくセラミック界面機能発現メカニズムの解明と設計
Project/Area Number |
20686042
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 直哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10376501)
|
Keywords | セラミックス / 界面 / STEM / 原子・電子構造 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、作製したモデル界面の超高分解能STEM構造解析を行った。また、最新の環状明視野(ABF)STEM法を酸化物界面構造解析に導入し、アルミナ界面の界面酸素構造までを含めた界面構造完全同定に挑戦した。その結果、アルミナ対称傾角粒界の原子構造を酸素まで含めて直接観察することに成功した。この結果、アルミナ粒界は界面特有の構造単位によって形成され、この単位構造の繰り返しによって対称傾角粒界は形成されていることが明らかとなった。このような構造単位と希土類元素の偏析サイトは密接な関連を持つことが明らかとなり、これは希土類元素が周期的に偏析する要因を与えるものと考えられる。第一原理計算によるエネルギー計算の結果でも構造単位内の原子サイトごとに偏析エネルギーが大きく変化することが見出されており、セラミックス界面を理解する上では、界面特有の構造単位の解明が不可欠であると考えられる。つまり、セラミックスの界面を制御することは究極的にはこの構造単位を制御することにほかならず、希土類元素偏析や方位制御などが今後の制御指針として有力な手法になると考えられる。また、本年度はセラミックスのTEMその場機械試験にも挑戦し、結晶粒内転位とモデル界面との相互作用を電子顕微鏡観察下で動的に観察することに成功した。さらにこの相互作用にも界面構造依存性が存在することが明らかとなり、機械特性においても界面構造単位と転位との相互作用が重要なファクターになると考えられる。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Observations on the influence of secondary Me oxide additives (Me=Si,Al,Mg) on the microstructural evolution and mechanical behavior of silicon nitride ceramics containing RE_2O_3 (RE=La,Gd,Lu)2010
Author(s)
P.F.Becher, N.Shibata, G.S.Painter, F.Averill, K.van Benthem, H.-T.Lin, S.B Waters
-
Journal Title
J.Am.Ceram.Soc.
Volume: 93
Pages: 570-580
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-